漢方(中医学)とは
西洋医学と中医学の違い
「漢方」と聞くと、漢方薬のイメージがありますが、「漢方」は日本でできた言葉です。
正しくは「中国伝統医学」で、略して「中医学」と言います。
中医学は西洋医学の「解剖的に見る」と比べて、「全体的にシステムのバランスを見る」ということに重点を置きます。
中医学の診断「弁証」
お腹が痛いから内科、膝が痛いから外科、気持ちが落ち着かないから心療内科…などではなく、その症状を持っている“人全体”を診ていきます。
この人の場合、気の流れが悪く、血が少ないから、熱が上に上がって肩こりや目の充血が起きている…と考えて、「血を補いながら気を流して、上がりすぎた熱を少し下げましょう」という治療方針を立てます。
その結果、「漢方薬では○○、薬膳では△△にしましょう」というアドバイスが出ます。
「便秘=お薬A」ではなく、「Bさんの便秘は○○だからお薬××」ということです。
同じ便秘でも、冷えているAさんと、熱がこもっているBさん、出す力がないCさん、腸の潤いが足りないDさんでは、対処法が違います。
どのタイプかを見極めることを「弁証」と言い、漢方薬の処方も薬膳の設計も、必ずこの弁証をします。
効かない漢方薬はありません。
漢方薬や養生法で改善されない場合は、弁証が間違えているということになります。
弁証をするためにヒントを聞き出すのは漢方のプロの腕の見せ所ですが、自分の症状をうまく表現するのも、改善のための早道になります。
肌・舌・便…などの“普段の自分”と、「いつもと違う」と気付くことが大切です。
自分の体と会話を欠かさないようにしましょう。